デビルクリスマスインナゴヤ ~ケーキはケーキ屋で~

悪いサンタ

聖夜戦争の始まり

12月24日。
街が浮つき、おめでたい人々が闊歩する日。

今年で35回目のクリスマス、もう目新しさも無い普通の1日。
こんな擦れた男でもこの日、楽しみなことがある。
それはケーキが食べられることだ。

甘い物が嫌いな家族に囲まれた少年時代。
周りの子どもたちに比べケーキに触れることが少なかったためか、ケーキへの憧憬が人一倍強い。
結婚1年目の昨年は自宅でのクリスマスパーティということで24日の夜に近所のケーキ屋にて買い求めたが、既に売り切れ。
コンビニスイーツも根こそぎ売り切れていた敗北の記憶がある。

今年は必ず手に入れる。
そう、「クリスマスケーキ・ウォーズ」の火蓋が切って落とされたのだ。
しかし、私が手に入れたかったホールケーキは想像以上に高価だった。

「ならば自分で作るしかない。」
クリスマスケーキ・ウォーズは戦場を変え新展開を迎えた。

ケーキ作りなどしたことが無いのでどうしたらスポンジが作れるかなども知らない。
スマートなフォンを華麗に駆使しレシピを発見。
スーパーで四苦八苦しながら材料を購入し帰宅を急ぐ。

この戦いにはもう一つ重要なミッションがあった。
それは妻が帰宅する前に作り上げること。
そう、私はサプライズが好きなのだ。

数々の苦難の果てに

まずはスポンジを作る。
レシピを確認すると卵白とグラニュー糖とうんたらかんたら。。
何が何だかわからん。
とりあえず卵白、グラニュー糖、薄力粉を混ぜ疾風の如くかき混ぜた。
メレンゲがどうとか書いてあったが割愛した

スポンジをつくる


卵黄、バターを入れてオーブンで焼く。
オーブンは初めて使ったので少し恐怖した。
果たして上手く焼けるのか。

スポンジが膨らまない

スポンジの薄さに3度見してしまった。
レシピを確認したが間違いは無い。
メレンゲの気持ちを汲まなかったのがまずかったか。
仕方ないのでもう1枚焼く。

焼いている間に生クリームを準備する。
氷水で冷やしながらかき混ぜるらしい。
温度管理がデリケートだ。
しばらく車内に放置したが問題ないだろう。

生クリームが固まらない

幾度混ぜても何も変化が無い。
室内の温度が高いのか、場所を変え冷えた玄関でかきまぜる。
「生クリーム 固まらない」で検索するとやはり温度の管理がまずかったようだ。
液状のクリームを冷蔵庫に隠し、替えの生クリームを買いに外を駆けた。

車では温まる可能性があったのでテコンドーで鍛えた脚力を駆使。
急いで購入し、雨の中を再び駆けた
駆ける速度で生クリームが冷えることを期待しつつ。

2枚のスポンジを重ねる

2枚目もやはり薄いが止む無し。
ふわっとするはずの本来のスポンジとは程遠い「ドムッ」という重厚な感触
重厚なスポンジの間に黄桃をちりばめサンドする。
そして新しい生クリームを塗りたくる。

生クリームをぬったケーキ

店で見るような滑らかではないが、もう時間がないので苺を乗せていく。
そして、苦難の果てにケーキが完成した。

手作りショートケーキ

実食の果てに

妻も帰宅し、ささやかな宴が始まった。
隠してあったケーキを取り出し、いざ実食。
「硬い。硬すぎる。」
さすが重厚なケーキといったところか。
レシピの約2倍の分量だが見た目は同じ。
カロリーも2倍だったはずだ。
こうしてクリスマスケーキ・ウォーズは終戦を迎えた。

やはり
「餅は餅屋」、「ケーキはケーキ屋」「テコンドーはテコンドー道場」だ。

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